
「うつ病で寝たきり」から脱出したいけどどうしたらいいの…?
寝たきりになるほどひどいうつ病が治った人って本当にいるの…?
今回の記事はこんな疑問にお答えします。
なった人にしか分からないものですが、うつ病になると、身体も心も辛い日々が何か月~何年と続きます。
さらに悪化して寝たきりにまでなってしまうと、「私のうつ病、本当に治るのかな…」という不安はさらに大きくなってしまいますよね。

私も布団の中でそんな不安にさいなまれていました
今回は、実際にうつ病で寝たきりの状態から脱出できた私の体験談について書いていきます。
この記事を読むことで、私がどのようにして、うつ病で寝たきりという状態から脱出できたのかが分かります。
あくまで私個人の体験談と考察になりますが、今うつ病で寝たきりから抜け出したいという方の参考になれば幸いです。

あなたのその辛さ、きっと終わりは来ます!
寝たきりで苦しんだ私も、辛さから脱出できましたから!
うつ病で寝たきりになるまでの経緯

はじめに、私がうつ病で寝たきりになるまでの経緯について簡単に書いていきます。

経緯なんてどうでもいい、という方はそのまま飛ばして大丈夫です(笑)
うつ病で寝たきりになるまで①転職~1回目の休職
私のうつ病は学生時代に発症したもので、服薬を続けながら、なんとか仕事を続けていました。

当時は医療ソーシャルワーカーの仕事をしていました
寝たきりへのカウントダウンが始まったのは、2015年夏、某有名専門病院から公立総合病院にうつ病を伏せて転職してからでした。
医療ソーシャルワーカー3年目だった私は、当時かなりの未熟者。
1日でも早く仕事に慣れ、公務員としても地域住民の健康に貢献したいと本気で思っていました。
しかし、上司や指導係の先輩から「指導」という名目で
- 人前で怒鳴られる
- 朝礼で、前日の失敗を30分~1時間に渡って執拗に責められる
- ペンや院内PHSを振りかざしながら大声で威圧される
といった目に遭い、精神的に疲弊していきました。
確かに当時の私は、初めての総合病院(急性期)勤務で分からないことだらけで、即戦力とは言い難い状況でした。
それでも、本当に仕事を一生懸命頑張りたい思いで自宅や外部研修で勉強もしましたが、次第に
- 毎晩よく眠れず、朝起きると頭痛と腹痛
- 昼間、仕事に集中したいのに激しい眠気
- 言われたばかりのことをすぐ忘れる
- 相手が何を言っているのか聞き取れず、メモも取れない
- 表情がうつろになる
という状態になり、ますます仕事ができなくなりました。
そして、次第に上司や先輩から「不真面目な怠け者」というレッテルを貼られるようになり、それがさらなるストレスとなりました。
2016年3月末、ついに限界がきて、それまで隠していたうつ病を上司に初めて打ち明けました。
上司は私を別室に連れ出し、

(看護師)
はああ?あんたがうつ病⁉
それならもっと頑張っている私だってうつ病だよ!
良いわねぇ、ちょっと辛いからってうつ病だって診断書を出して休もうとするなんて。私が休みたいよ!
と机も叩きつけながら罵倒してきました。
それでも、最終的に休職させてもらえる運びとなり、ようやく1回目の休職に入りました。
うつ病で寝たきりになるまで②1回目の休職中~寝たきりに
休職期間に入ってからは通勤しなくてよくなりましたが、なぜか週に1回上司への病状報告の電話が義務付けられました。
その度に

(看護師)
5月には戻れるんでしょ?
と復帰を迫られたので、はっきり言って全然心が休まりませんでした。
5月の連休後、まだ十分に回復していませんでしたが、上司の圧力で休職を延長しづらかったので、復職しました。
復帰後最初の1か月ほど業務量の調整があった以外の配慮はほぼなく、上司・先輩の態度はすぐに元の状態に戻りました。
加えて、

(看護師)
休職してうつ病は治ったんでしょ?
うつ病を言い訳に甘えるな!努力が足りない!
など無理解からくる発言にも苦しめられることになりました。
休職でいくらかよくなっていた体調も当然、休職前以上に悪化。
それでも、

私はまだ努力が足りない…

目の前の患者さんのため、頑張らなきゃ…
と自分自身を叱咤しながら業務を続けました。
その結果、その年の10月にとうとう身体も思考も全く動かない「寝たきり」となり、2回目の休職を余儀なくされました。
うつ病で寝たきりから脱出するために実践した6つのこと

「うつ病で寝たきり」になった時、私はこのような状態でした。
- 1日中ずっとだるい
- 何もしたくない
- 感情が麻痺
- 職場での嫌な出来事のことばかりぐるぐる考えてしまう
- 身体と心がバラバラで「抜け殻」になったような感覚
- 仕事を頑張れなかった自分を責めてしまう
- 自分のことをゴミとしか思えない
まさに「絶望」の一言で、一生この状態から脱出できないのではないかとすら思いました。
「うつ病で寝たきり」となってからしばらく経ったある日、私にある思いが湧き始めました。

「うつ病で寝たきり」という地獄から脱出したい…
正直、本当に脱出できるのか自信がありませんでしたが、できる時にできることから始めてみることにしました。
また、焦りは回復の妨げになると考え、寝たきりから脱出するにあたり期限は設けないことにしました。
それぞれについて、以下詳しく説明していきます。
うつ病で寝たきりから脱出するために実践したこと①休みたいだけ休んで「充電」した

「寝たきり=エネルギーが枯渇状態」ということなので、エネルギーが回復するまでは、休みたいだけ休んで「充電」することが大切です。
やらなければいけないことがあるのに、思考ができない、身体が動かない。
そんな自分を「怠け者」とか「情けない」とか思っていませんか。
「大変なのはみんな同じだから、もっと頑張らなきゃいけない」と無理しようとしていませんか。
あなたが寝たきりで動けないのは、決して「怠け」ではありません。
「うつ病」という、れっきとした病気のせいです。
すぐにしなくてもいい家事・用事は、後回しにしたり頻度を落としたり誰かに頼んだりすることで負担を減らし、とにかく休んでエネルギーを「充電」しましょう!

全ては回復に専念するため。
充電出来たら、また絶対に動けるようになります
寝たきりになった当時の私は実家に住んでいましたが、何もする気が起きなかったので、1日の大半を自室で休んで充電することにしました。
私の両親はうつ病になった経験はないながらも、基本的に私のうつ病を理解しようとしてくれました。
ただ、母には元々思い込みが強いところがあり、

ねえねえねえ、さっきテレビで見た○○○がうつ病に良いんですって!あなたにも効くからやってみなさいよ!

動けないのは、あなたの思い込みかもよ!気分転換に「掃除」したら?
等言われることがありました。
そんな時は

ごめん、掃除したいけど今の体調だと5分が限度かな…
等、母を傷つけないように気をつけながら休むことを優先しました。
こうして休むことで、少しずつエネルギーが回復し、起きられる時間も増えていきました。
うつ病で寝たきりから脱出するために実践したこと②信頼できる人と深く関わりを持った
うつ病で寝たきりから抜け出すためには、自分のうつ病を理解してくれる信頼できる人と深く関わりを持つことが非常に重要となります。
当時の私にも、幸い信頼できる人が何人かいたので、寝たきりになった後はさらに深く関わりを持つようにしました。
- ごく一部の友人
- 交際相手(もともと幼馴染で現在の夫)
- 精神科の臨床心理士
- 職場の福利厚生サービスのカウンセラー(無料)
自分の辛さや悩みについて、否定せずに受け止めて共感してくれる人がいるというだけで、私の孤独感が和らぎ、とても救われました。
一方、うつ病を理解してくれない人、以前からそれほど仲良くなかった人との人間関係は、ばっさり整理しました。
交友関係は一気に狭くなりましたが、エネルギーや時間を消耗するだけだと考えると全く寂しさを感じませんでした。

人間関係は、量より質!

信頼できる人なんていないよ…
「心から信頼できる人がいない」「誰を信じたらいいのか分からない」という場合、うつ病仲間のためのオンライン上のコミュニティに参加するという方法もあります。
メンバーは皆うつ病の経験者なので、お互いの辛さを理解しあえる場となっています。

私も参加しています!
優しいメンバーばかりなので安心して参加してくださいね
コミュニティの詳細については、以下の記事で紹介しています。
うつ病で寝たきりから脱出するために実践したこと③思い切って退職した

職場が原因でうつ病が悪化、寝たきりになった場合、休職・退職といった形で職場と十分に距離を置いた上で療養する必要があります。

私も寝たきりになった後、2016年末までの休職を経て退職しました
ストレスだらけの職場で働きながら治すのは、難しいかも…
私の場合も、今になって冷静に考えると、寝たきりになるほどうつ病が悪化した最大の要因は、明らかに職場でした。
しかし、2度目の休職開始当初、職場が原因だと信じたくなく、退職することも考えていなかったのです。
- うつ病を治してからまた頑張りたいと思っていたから
- 早期離職は経歴に傷がつくから
- 福利厚生が手厚く安定した「地方公務員」の立場を手放したくなかったから

特に福利厚生は、超ホワイト企業ほどではないかもしれませんが、かなり充実していたんですよね…
しばらくは復職を本気で考えていましたが、それがまた焦りやストレスになってしまい調子を崩すことがしばしばでした。
休職してから1か月ほど経ってようやく、
- 復職した後の上司との関係修復は難しい
- またうつ病が悪化するリスクは極めて高い
と上記の復職のデメリットを冷静に考えられるようになりました。
1人で考えるのはさすがに精神的な負担が大きかったので、家族や前述の信頼できる人によく相談し、最終的に退職する決断をしました。
上司とすったもんだがあったり、収入がなくなる恐怖や不安があったりで、退職直後は数日寝込みましたが、地獄のような職場にもう行かなくてもいい安心感が出てくると、状態は回復しました。

その代わり、信頼できる福利厚生サービスのカウンセラーとはお別れしなくてはなりませんでした…
「石の上にも三年」とよく言われていますが、心身の調子を崩して仕事に支障をきたしてまで我慢する必要は全くありません!
身の危険を感じたら、すぐ行動に移しましょう!
仕事を辞めるにあたっては、以下の記事(外部サイト)も大変参考になるので、関心のある方は読んでみて下さいね。
うつ病で寝たきりから脱出するために行ったこと④1/fゆらぎ(えふぶんのいちゆらぎ)を感じた

1/fゆらぎ(えふぶんのいちゆらぎ)とは、自然の中や身の回りの生活の中に存在する「ゆらぎ」のことで、感じるだけで自律神経を整え、精神を安定させたりする効果があります。
練習も不要なので、寝たきりでエネルギーが枯渇している人でも簡単に試しやすいケア方法です。
私は寝たきりになった後もどうにかスマホはいじることができたので、うつ病の改善方法を調べましたが、自分に合った方法はそう多く見つかりませんでした。
そんな中、心理系大学院でかつて学んだ1/fゆらぎを思い出し、YouTubeで関連動画を見るようにしました。
休職後しばらく張りつめた精神状態が続いていましたが、1/fゆらぎに触れることで、手軽にリラックスすることができました。

自分に合った1/fゆらぎは本当に心地いいですよ…
1/fゆらぎの具体的な効果・関連動画については、以下の記事で紹介しています。
うつ病で寝たきりから脱出するために実践したこと⑤マインドフルネス瞑想を実践し始めた

うつ病で寝たきりになると、過去の嫌なことをぐるぐると考えてしまいがちですよね。
マインドフルネス瞑想は、意識を「今」に向けるための瞑想なので、行うことで過去の嫌な出来事にとらわれた状態から抜け出すことが可能となります。
やり始めの頃は、瞑想中に過去に意識が行ってしまって集中することが難しいかもしれません。
でも、それでも大丈夫。
そんな自分を責めず、1日5~10分続けていけば、気持ちが少しずつ楽になっていくはずです。

雑念が生じるのは当たり前のことなので、そんな自分もそのまま受け入れてあげて下さい
マインドフルネス瞑想の効果や方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
うつ病で寝たきりから脱出するために実践したこと⑥少しずつ身体を動かすようにした

ストレス発散や体力増強のため「うつ病には適度な運動が重要」とよく言われていますが、寝たきりになると

だるい…

何もしたくない…
といった理由で、運動を始めたり続けたりするのは難しいもの。
そんな状態で無理に運動しようとしても、義務感や負担がストレスになってしまうことがあります。

そもそも、ストイックに頑張りすぎた結果の「寝たきり」ですからね…
十分な休息でエネルギーが回復すれば、自然と「身体を動かしたい」という意欲が湧いてきます。
それから身体を動かす習慣を付けた方が、無理なく続けやすいと私は考えます。
また、後で反動で動けなくなるリスクを下げるためにも、運動量や負荷は急に増やさず、少しずつ増やすのがコツです。
私も、起きていられる時間が少しずつ長くなっていったある日、自然と

家の中退屈…外に出たい
と思うようになりました。
そして自分の調子と相談しながら、
- 今日は家の周りを1周する
- それができたら明日は5分散歩
といった超超スモールステップで運動量・負荷を増やしていきました。
最終的には、2㎞以上休まずに歩けるようになるまでに体力を回復させることができました。
うつ病で寝たきりから脱出するため6つのことを実践した結果

「うつ病で寝たきり」からの脱出のために6つのことを実践していた期間・タイミングは上の表のような感じになります。
実践した結果、2016年11月半ばから起き上がれる時間が増えて、翌年1月頃から6~8時間の睡眠時間で日中活動できる状態になり、寝たきりから脱出できました。
薬も、2017年1月から減薬を開始、3月に断薬に成功しています(その後も服用していません)。
当然ですが、「寝たきり」というエネルギーが枯渇している状況で、いきなり全部やるというのは難しいです。
できそうなことから少しずつやっていきましょう。
私も体調と相談しながらできるものから始めました。

「やらなきゃ」というプレッシャーで実践しても辛いだけ
また、いつも右肩上がりで調子が良くなるわけではなく、調子の悪い日もあります。
そんな時は「少し休めば、また調子は良くなる」と深く考えすぎないことも大切です。
私もそうした時は、部屋で休む時間を増やすなどして無理をしないようにしました。

不調が続く場合は、我慢せず主治医の先生に相談して下さいね
寝たきりのうつ病から脱出したいあなたへ

- 自分に合った方法をできる時にできることから始めていく
- まずは休みたいだけ休んで「充電」する
- 寝たきりで動けないのは「怠け」ではない
- 時には調子が悪い日もあるが「少し休めば、また調子は良くなる」と捉える
うつ病で寝たきりの状態になると、身体的にも精神的にも辛いだけでなく、良くなった自分自身を想像することもできないのが本当にしんどいですよね。
寝たきりから脱出するために様々な方法を試したけどダメだった…と絶望している方もいるかと思います。
それでも、生きることは絶対に諦めないで下さい。
仮に、私が今回紹介した方法があなたに合わなかったとしても、他の方法は探せばたくさんあります。
この後、あなたに合った寝たきり脱出の方法が見つかるかもしれません。
日常生活の中で、うつ病で寝たきりから抜け出すきっかけとなる何かに出会えるかもしれません。
私自身、うつ病で寝たきりから脱出できた自分の未来を全くイメージできませんでした。
それでも、自分なりに模索して自分に合った6つの方法を実践したら、8年続いたうつ病や寝たきりから脱出できました。
今苦しんでいる皆さんも、自分に合った方法に出会うことで寝たきりから脱出できる時が来ると信じています。